カメラ選定とは

 

画像検査を役割毎に分けると

①画像入力

②入力画像から欠陥検出、文字認識、形状認識の画像処理

③画像処理結果を出力する

となります。

 

①の画像入力は画像検査の中で重要のファクターであり、欠陥検出、文字認識、形状認識を求める精度で画像処理を行う為にはカメラ・照明の選定は慎重に行う必要があります。

 

今回はカメラ選定についてお話をしたいと思います。

 

撮像方式

前回のコラムでエリアセンサーカメラとラインセンサーカメラの違いという内容で記事を書かせて頂いております。

下記のリンクボタンから読む事が出来ますので読んで頂けると幸いです。

エリアセンサーカメラは基本的に二次元画像が取得でき、撮像対象が静止している事が前提になります。高速パルス発光できる照明を使い、ストロボ撮像をする事で撮像対象が動いていても撮像する事が可能になります。

一般的に多くのカメラ、レンズ、照明が市場に出ているので求めてる画像検査に合わせて機器を選びやすい環境にあります。

 

ラインセンサーカメラは一次元画像を取得します。基本的にはカメラもしくは撮像対象が動いていてる事で二次元画像を取得する事が出来ます。

1k、2k、4k、7kとカメラ素子サイズが視野方向に大きいので撮像対象の製品幅が大きい時に適しています。

撮像画像

どの撮像方式でも白黒画像を取得するモノクロカメラ、カラー(R/G/B)画像を取得するカラーカメラがあります。

 

一般的な欠陥検査・文字認識・形状認識するのであればモノクロカメラで十分です。出力される画像も白黒の濃淡画像になり、照明の選定や画像処理も比較的簡単で最も良く使われています。

 

ただ、汚れや色違いなどを判別したい時などの白と黒の単純な濃淡では識別できない事が多いのでその場合はR/G/Bの画像からの差分画像などで特徴を抽出できるカラーカメラが最適だと思います。カラーカメラはモノクロカメラに比べて情報量が3倍になりますので画像処理が複雑になります。

 

近年ではR/G/B + IR(近赤外)の画像取得できるカメラや近赤外単体画像が取得できるIRカメラなども多く市場に出ているので色々な選択肢の幅が広がっています。

画像の情報量

モノクロカメラ、カラーカメラの取得画像のデータは8ビットの256階調で表現されます。一番暗い部分が「0」、一番明るい部分が「255」になります。しかし、多くのカメラは設定で10ビットの1024階調に変更する事も可能です。

10ビットにする事によって検出対象の明るさの変化をより詳細に表現できます。

その分、8ビットに比べて画像情報が4倍近くになりますので画像処理に多くの時間が必要になります。

 

近年では16ビットの65535階調の画像取得できるカメラも市場に出ています。

画素数

エリアセンサーカメラは30万画素、50万画素、130万画素、200万画素、500万画素以上と各メーカーで様々な機種が市場に出ています。

この中でカメラを選ぶ基準は検出・抽出したい対象サイズを基準にする必要があります。

標準的な130万画素を例に話をします。

この130万画素のカメラ画素数を横1296画素、縦966画素だとします。

視野全部で撮像した場合に≒1mm(0.96mm)/1画素になります。

検出・抽出したい対象サイズが1mm以下は画像として取得できないという事です。

 

画像処理において安定検出・抽出する場合は最低3画素を必要だと考えます。

0.96mm/3画素=0.32mm/1画素となり、これを目標値とします。

 

400万画素のカメラ画素数を横2048画素、縦2048画素とします。

1296画素/2048画素=0.63mm/1画素となります。

まだ目標とする0.32mm/1画素になりません。

 

600万画素のカメラ画素数を横3088画素、縦2064画素とします。

1296画素/3088画素=0.41mm/1画素となります。

まだまだ目標とする0.32mm/1画素になりません。

 

800万画素のカメラ画素数を横4096画素、縦2160画素とします。

1296画素/4096画素=0.31mm/1画素となります。

これで目標値なりました。このを目標値の事を画像分解能といいます。

800万画素のカメラを使う事で1mmの欠陥を安定して判別できる事になります。

これはあくまで等倍で撮像した場合です。

ここにレンズなどの倍率によってまた、画像分解能をコントロールする事が出来ます。

 

エリアセンサーカメラは1000万画素、2000万画素、5000万画素などのラインナップも出ています。凄い世界です!

しかし、画素サイズが大きくなるにつれて画像転送速度(フレームレート)が遅くなり、画像処理時間も必然的に伸びてしまいます。

 

 

弊社では高画素のエリアカメラも取扱っております。

 

 

ラインセンサーカメラは元々、エリアセンサーカメラがまだ、低画素しかなかった時から4k、7kの画素数を有したカメラが市場には多くでており、エリアカメラでは画像分解能が迫れない等の理由で使用されたりしています。カメラ視野方向に画素数が広い為、高い画像分解能を設定しながらも視野を大きくでき、フレームレートを早くすることができます。

画素分解能

画素分解能はカメラ素子が持っている1画素当たりの分解能になります。

この分解能が高ければ高い程より微細な変異を画像として取得しやすくなります。

しかし、分解能が細かくなるという事は光を受光できる窓が狭くなっていくので受光量が弱くなり、その分より高照度、高輝度のハイパワー照明が必要になってきます。

選定の考え方

カメラ選定の要素を分類すると下記になります。

①撮像方式(ラインセンサーカメラ or エリアセンサーカメラ)

②撮像画像(カラー or モノクロ)

③画像の情報量(8ビット or 10ビット or 他)

④画素数

⑤画素分解能


ここに、カメラレンズ、カメラインターフェース(データ転送方式)、照明等の要素も

加わりますので最適解というのは簡単ではありません。

①であれば撮像対象が不動だからエリアセンサーカメラで十分

②であればキズを検出するからモノクロで十分

③キズのサイズは大きいから8ビットで十分

といった感じで仮説を立てつつ選定していく必要があります。